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[ 2004.11.23]

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国宝って国が直すの?

今回は仏像修理を取り巻く話なんぞを書いていきたいと思います。

よく、質問を受けるのが、「国宝や重要文化財などは国が修理しているのです か」 という問いです。

え〜、皆さんどう思いますか?
なにせ、国が指定しているわけですからね…、修理も国が主導でやりそうでは ありますが…?


答えは…
実は修理は民間の会社で行われます。

仏像ですと「美術院」が有名ですね。

仏像に関しては、ここがほぼ一人勝ちというか、指定物件の独占状態になって います。

独占といいますと、人聞きが悪いですが…
まぁ、独占がいい悪いというより単に仕事がさほどに多くないという状況があ ります。大きいとこが1つあれば充分なんですね。

テレビなどで、仏像の修理が放映されることが稀にありますが、だいたい、こ の、団体であることが多いようです。


日本画や書…などの表具系統はもう少し、市場が広いためか、全国で、5〜6 社ほどが 国指定の受注を受けているようです。


そういうわけで、国指定物件の仕事は民間会社がやっているわけなんですが、 国物件を扱うときは少しばかり、縛りがあります。

簡単に言いますと、修理をする場所…作業所は国が認めた場所でないといけな いというものです。
美術院だと京都の国立博物館内の文化財保存修理所がそれに当たります。
つまり、博物館の施設を間借りしている状態です。

この、修理所には美術院、その他、表具系の会社が5つほど入っています。 家賃は0円だそうですよ。
(※人から聞いた話ですけど…)
うらやましい話ですね。いまどき0円とは…。

※今度、京都の国立博物館に行かれた方は、本館の裏手の庭にまで行ってみる ことをオススメします。
裏手から、修理所がたっているのが見えます。
(因みに、見学は基本的にできないようです。)

まぁ、修理中に盗まれても困るわけですから、守衛さんとかいて、多少盗みに くそうなところのほうが好い気はします。
※壊れた物を盗んだ方も困りますけど…どうするんだ?

ただし、建前としては国指定の物件しかここで修理をおこなってはいけないと なっているようです。
しかし、あくまでも建前なんで、未指定のものも結構、修理しているとか…。
たまに学芸員が巡回にくると、速攻で隠すそうです。

なんだか、ほほえましい気がしますね。
修理現場と行政のハザマって感じです。


で、実際の修理作業ですが、適当に直してもいいというものでもないんで、大 体、たまーに文化庁の仏像担当の役人が来て、あれこれ指示をします。

ここ目立つから、もちっと目だたないようにしてくれない…?とか。
その持物は後補だから、撤去して…とか。
これは、僕の好みじゃないなぁ…とか

基本的に、了承を得ないと勝手には修理できないようです。
つまり、極論すれば、担当した役人の好みと修理者の好みの最大公約数で修理 が出来上がるともいえます。

よく質問で、修理者になりたいんですが…?
というメールをもらうんですが、文化庁に入っても、結構、関われるんで、 技術系じゃなくても、楽しめるかと思います。

因みに、文化庁は学閥的には早稲田との事なので、手作業は苦手だけど、仏像 修理に関わりたいという人は、早稲田に行きましょう!
(※あくまでも聞いた話っすよ、違うかもしれない)


因みに、美術院はこの、京都国立博物館内の修理所のほかに奈良の国立博物館 内にも修理所を間借りしています。
また、その他に、未指定のものを扱うための自工房が2つほどあるようです。

日夜、ここで、仏像が修理されているわけなんですね。
仏像好きなら、一度は見てみたい光景かと思います。
まさに、仏像の野戦病棟という感じかと思います。

頭を割られた仏像が…
腕を切り落とされた仏像が…
バラバラになった仏像があちこちに…


蝋人形の館に入ったら、蝋人形が、みんなバラバラに切り刻まれていた…とな ったら、かなり怖いものを感じますが、仏像の場合でも、冷静に考えると怖い 光景ですね。

信仰があったら修理は出来ませんね。
ほんとに。


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