秘密の仏像マンション
安全!便利!しかも飯付き! 無料!!そんな幻のマンションがあります。
仏像マンションです。
残念ながら人間不可ですが…、あなたも畜生道に落ちた際にはネズミに生まれ変わるかもしれませんので、来世の参考にどうぞ。
仏像マンションとはひらたく言えば、仏像そのままのことです。
基本的な住民構成は、ネズミと虫。
仏像って、基本的に木で出来ている物が多いですよね。
これが、自然派ということで、ネズミや虫には 大人気!
今回は特にネズミさんに今回は住み心地について特別インタビューしてみたいと思います。
Q:仏像の住み心地についてお聞かせください。
ネズミ:鉄筋も悪くないけど、やっぱ、木が一番だよね…なんか、気分が落ち着くって言うか…いつでも何処でもかじる物があるし、便利かな。
Q:かじるんですか?
ネズミ:まぁね。俺たち齧歯類(ゲッシルイ)はなんか囓ってないと、歯が伸びすぎて、困るんだよ。
Q:そういえば、仏像や台座もだいぶ、がりがりとやられてますね。
ネズミ:あぁ、あれね、見た?良い感じでしょ。ちょっと、彫刻が甘いんで、俺が歯を削るついでに彫刻してみた。
オレ様風(ネズミ風)って感じで、角を全部囓ってやったんだけど、彫刻に丸みが出て、前より良くなったね。ま、才能だけど。
Q:そうですね…確かに角が全くなくなって丸みは出てますね…漆や金も全部囓りとられてますが…。
そういえば、玉眼(注…目玉のこと)がなくなってますが、どうされたんですか?
ネズミ:あれね。邪魔だからはずした。
Q:はずした!
ネズミ:うん、頭の辺りにも1つ入り口が欲しいと思って。木って好きなようにカスタマイズ出来るから良いよね。
この家(仏像)もどんどんオレ様色に染まってきたって言うか…ま、自分で家をつくる楽しみって言う奴だね。わかるかな?
Q:分かるような分からないような…
ところで、この仏像(マンション)の何処が気に入ってますか?
ネズミ:そうだな…いつでも、食料があるって言うのは大きいな。なんか、髪の生えていない人間ががわざわざ、オレのために食べ物を持ってくるんだ!コレはラクチンだね。
Q:それはうらやましい!(別にあんたのためではないと思うけど…)他には?
ネズミ:静かだね…。友人の台所に住んでる奴なんか、いつも、猫や人間に追いかけ回されたりしてるけど、ここでは、そんなこと無縁だね。
昼も夜も静かなもんさ。ま、孤独が似合う男だから、オレは。
Q:…(無視する)困った事や不安なことってありますか?
ネズミ:う〜ん、別の仏像マンションに住んでた奴から聞いた話だけど、そいつが、家(仏像)に帰ってきたら、いたらしくてさ…。
Q:いた?…何がです?
ネズミ:蛇
Q:蛇!
ネズミ:オレも昔はブイブイ言わせたモンだが、あいつら、だけは苦手さ!
Q:それでどうなりました?
ネズミ:家(仏像)を乗っ取られた!
Q:え!では、その仏像には蛇が住んでるんですか?
ネズミ:まぁ、そういうことになるな。住みやすいからな、おれも気をつけないと…不安といえば、それぐらいかな。
Q:いろいろと大変ですね。今回はインタビューありがとうございました。
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