仏像修復の流れ【前編】
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【仏像修復の流れ【前編】】


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仏像仏教の基礎
修理の話


仏像修復の流れ【前編】

■ 1:仏像の搬入

まず、お寺に仏像をとりに行きます。
仏像は小さいものでしたら、薄用紙にくるみ、箱に入れるだけで、きわめて簡単なのですが、大きいものの場合、 搬入だけで、丸一日かかることもあります。
やはり、薄用紙で表面の彩色類を保護した後、さらしを巻き、薄用紙が動かないようにします。
その後、担架などに縛りつけ、持ち運びができる状態にします。
さらに、像の周辺なども調べて、他に部材が落ちていないか確認します。

〜魂抜き〜
また、実際に像を動かす前や直前に、魂抜きをします。
つまり、魂を抜いた後は仏像は”仏の形をしたただの物体”になるわけです。
”魂抜き”といっても、そんなに特別なことをするわけではなく、ほとんどの場合、 住職が仏前でお経を上げるぐらいのものです。
かかる時間も人によりさまざまで、早い人では2〜3分。
長い人では4時間ぐらいやった人もいるようです…!


■ 2:修理前写真の撮影

修理前にどこがどう壊れているか記録します。
どこが、どのように、どんな風に壊れているのか?
そして、それに対して、どのような修理方法をとったのか?
これを常に答えられるように記録すること。
文化財的修理の中では、この記録をとる作業がとても重要になります。

また、修復後だと、破損箇所がわかりにくくなるので、 この状態のときに破損の記録をとることが多いようです。
さらに、修理箇所を記入するための白描図を書き起こします。
(個人的には写真に直接記入するほうが正確だと思うのですが、 白描図に記入するのが慣例のようです)


■ 3:解体

ばらします!
この作業が、一番楽しい気がします。
やたら、釘が打ってあったり、接着剤がべたべたついているものもありますが、 解体に関しては、さほどに、苦労することはありません。
ま、壊すだけなんで…。 大きい像ですと、まれに、体内から納入品が出ることがあります。

髪の毛、胎内仏、お経、結縁者の台帳…等々。
タイムカプセルを連想させます。

それ以外ですと、ネズミなど小動物の糞、死体、葉、布地の切れ端…とにかく ゴミための様になっています。
中には、生きている蛇がいたといった話もあるようです。

*仏像はほとんど動かされることがないため、ネズミなどにとっては格好の住処となるようです。 注意ですね。

■ 4:解体写真

3.解体でばらした仏像の断片を一面において写真撮影します。
さながら、プラモデルの展開図のようになります。
斜めから撮影すると、バースがかかるので真上から撮るのがベスト…なのですが 、大きいものだと1枚では収まりきれず苦労します。


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