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お盆って、実は日本だけ?


みなさま …お盆の間いかがお過ごしだったでしょうか?
私はお盆といえば、たいがい、実家に帰ってごろごろとしています。
なぜか、家に帰ると、怠け者になっちゃいますね。
朝と昼はただ、もうひたすらに眠い…。

今回も、年老いた(それほどでもないけど)両親が、忙しなく何かをやっている間も、こんこんと眠り続けていましたら、ついに、親父がブチ切れ、追い出されそうになりました。
そんなこと言っても、普段は仕事で忙しいのに!!
たまには、甘えさせろ。(こどもの叫び)

まあ、私がお盆にやったことといえば、ちょろっと、お墓に行った後は、夜の親戚が集まっての大宴会…に出席したぐらいなんですが。
私にとって、お盆といえば、先祖の墓参りと親戚の大宴会です。
多分、田舎はどこでもそうだと思いますが。(どうなんだろう?)
さて、そんなわけで、今回はお盆の話です。

「お盆」
この限りなく、仏教に関係ありそうな行事…実は、仏教に関係します。 おいおい、その話の持ってき方は逆じゃない?
まぁまぁ、最後までお聞きください。

「お盆」正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」などといいます。
サンスクリット語の「ウラバンナ」を漢字化したものです。
意味は「逆さづり・信じられないような苦しみ」
…イヤな意味です。
そして、この行事、釈迦の十大弟子の内の1人、目連尊者(もくれんそんじゃ) が母を救う話に由来しています。

この目連尊者、神通力を持っておりまして、ある時、死んだ母があの世でど うなってるかな〜と、その得意の神通力で検索したところ、…なんと、地獄の餓鬼道で、逆さづりになっていることが判明しました。
こりゃいけないと、師の釈尊に尋ねたところ、 「夏の修行が終った7月15日に僧侶を招き、たくさんの供物をささげて供養すれ ば、母親を救うことが出来るであろう…」
という言葉。
早速実行したところ、めでたく、極楽往生したとのことで、両親や先祖を供養 する日となったそうです。

ん?じゃぁ、「お盆」はもろに、仏教行事でないかい?
そうなんですが…実はタイやミャンマーとか他の仏教国にはお盆がない…という話があります。
(微妙に似たような行事はあるらしいのですが…。)

日本だけの独自行事と断言する人さえいます。
盆と正月という言葉があるくらい、日本ではメジャーな行事ですが、実はお盆の行事自体は仏教とは本来関係がないと。
つまり、仏教的にカモフラージュされた「先祖崇拝&精霊信仰」の行事という話でした。

お盆は先祖の霊が帰ってくると言いますが、 先祖の霊が帰ってくるというのは「完全な先祖崇拝&精霊信仰」 な訳です。

本来仏教では、死んでも仏になりませんし、死んだら、輪廻するだけですから、 魂がもどってきようがないんですよ。
目連尊者は母親を地獄から救いましたけど、別に彼女の魂が現世に戻ってきた わけではないわけです。

つまり、極論すると、日本は仏教国というより「先祖崇拝&精霊信仰」の国ということだと思います。長い期間をかけて、神仏が混ざったわけです。
これは日本に限らないことですが、 仏教国のタイでももともとあった精霊信仰はかなり根強く生きています。
仏教だけでなく、キリスト教にしても地域によって随分と現地化されるようで、 そう言うのを見るのも面白いものです。

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