仏像の目の話(玉眼)
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【仏像の目の話】


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仏像の目の話


仏像を見てると、なんか、妙にリアルな目をしたモノってありませんか?
ほとんど、生きてる目っていいますか…。
妙に生気があるっていうか…。
単に、木を彫刻したモノとは明らかに違う目をしたモノがありますよね。
多分、ご存じの方も多いと思いますが、 「玉眼」(ぎょくがん)などといいます。

さくさくと「玉眼」について説明しますと…。
実は…水晶製だったりします。
ガラスじゃないんですよ。
水晶から、削り出すのって…めんどくさそうですけどね。

ちなみに、菩薩&如来形像と天部系の像では天部系の像の方が玉眼を作るのが 大変です。
なぜかと言えば…、菩薩の眼は細いですが…天部の場合、結構、眼を見開いているからです。
その分、水晶が余分に必要だったりします。

以前、仁王の修理で、玉眼がアルコールランプで代用されたモノを見たことが あります。(アルコールランプの底のほうを眼にしていた…。)
もしかしたら、新しく水晶で作るお金がなかったのかもしれません。

仁王の眼でさらに、話をしますと、結構、仁王の眼って大きくて目立つせ いか、玉眼めがけて子供らが石などを投げるそうです。。。
他には、空気銃の的になったり…。
仁王様いたずらの的とされています。
高いのになぁ。
そんな玉眼ですが、鎌倉時代に爆発的に流行した技法なのです。
運慶の八大童子なんか、玉眼がなかったら、もうなんていいますか…。
ものすごく地味な像になっていたかと思います。

暗い堂内で、像の眼にロウソクの明かりがちらちら光ったら…、 それはもう、生きてるかのような印象を与えたかと思います。
もう、初めて見た人は、すごくびっくりしたでしょうね。

「なんか…すげぇ、本物っぽい!!」って…。

また、それを聞いて、作った仏師は”にやり”としたことでしょう。 多分。

まぁ、例えが古いですが、ジュラシックパークを初めて見たような感じでしょうか。
今は…CGなんて普通ですが…といいますか、CGがない映画って、むしろ少ないかもしれませんが。
玉眼もCGと同じで、その後、玉眼がない像なんか仏像じゃない!とばかりに流行りました。

そういうわけで、玉眼の像はほとんど鎌倉時代から以降のモノなります。
単純に言うと、玉眼があれば鎌倉時代以降の像、玉眼でなければ、鎌倉時代以前の像(である可能性がある)ということがいえます。
一つの時代区分の目安にはなりますので、今度、意識してみてください。

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