あなたに、もし名前がなかったら…どうしますか?
どうにもこうにも、生活自体が大変になりますよね。
免許から何から、証明書は一切支給されませんし、
仕事に就くことも、出来ないでしょう。
完全に、人間社会から、隔離された存在になるはずです。
さらに、誰も、あなたのことが呼べないし、
他人にとっては、あなたが、本当に存在しているのか
いないのかさえもあやふやになってしまいます。
名前って大事なんです。
そして、この世の”仮の名で”さえも、ここまで、大切なのですが、
実はそれ以上に”大切な真の名前”があります。
それが【真言】です。
【真言】とは、そのまま、”真の名前&言葉、”
のことを指します。
この世の名前は全てが”仮の名前”なわけですが…、
その仮の名前の裏には固有の”真の名前”があると
言う考え方です。
いってみれば、風にも、草にも、動物にも…
全てのものには真の名が隠されていて、
その真の名を呼びかければ、呼びかけられたものは
なんらかの返答するというわけです。
ちょっと、ファンタジーが入っていますが、
魅力的な考え方ですよね。
我々が、風にむかって語りかけてみても、返事は返ってきませんね。普通は。
それは、僕たちが、風の言葉を知らないからです。
もし、知っていたなら、風にもっと吹いてくれとか、止んでくれとか、
お願いが出来ますよね。
もっとも、風にも個性があるんで、ひねた風だと、
こっちの言うことも聞いてくれないわけですが…
そこは、交渉次第なわけです。
ですから、つまり、仏の真言は”呼びかける神の真の名”です。
相手の名を初めに知らなければ、呼びかけられないわけです。
ですから、真言の最初の最重要課題は”神の名”を調べることでした。
コレを知らないことには、お祈りもお願いも出来ないわけです。
出来ても、効き目が薄い!
ところで、、先ほど、ファンタジーといいましたが、”真の名”
という思想は、元素記号の考え方に似てると思いませんか?
H は水素 Oは酸素…
授業でやりましたよね。
もちろん化学実験も!
これを真言でやると…
【サ】は観音菩薩 【バン】は大日如来…
にてるんですよ。すごく、真言と元素記号は。
でも、元素記号を知ってるだけでは、化学実験は出来ませんよね。
水の電気分解とか…
H2O→H2+O
この化学方程式を起こすための実験器具が
密教で言う儀式に当たります。
どうです、面白くありませんか。
この【真言】という考え方は、仏教の中でも、【密教】
に属しますが、単に、仏教という以上に、当時の
”世界認識、宇宙を構造、全ての物の理”
を追求した、疑似科学というか壮大な思想体系なのです。
宗教より、科学に近いんですよ。
仏教的世界観をあらわしたものそれが密教です。
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