子供の頃…こんな、なぞなぞを出されたことがあります。
頭が100個で、手が40個で、足が800本コレなーんだ?
答えは「お化け」
…
その答えを聞いたとき、かなり納得いかなかったことを今でも鮮明に思い出します。
なぞなぞになってないだろうがよ!と。
その頭が100個って事に必然性はあるのか?
えっ?答えてみろよ!
と…、子供心に思ったものでした。
何せ、理屈っぽい子供だったもので…。
しかし、今、新しいなぞなぞを考えつきました。
皆さんご一緒に、このなぞなぞを広めましょう!
頭は1000個だったり27個だったり11個、
手の数は1000本だったり42本だったり、
足の数は1000本だったり2本だったり!
答えは、?
もうあなたにも分かりますよね
お化けです。
いや、千眼千手観音です。
千手観音の名前はもう…たくさんあるんですよ。
千臂千眼観世音、千臂観音、千光観音…。
千眼千首千舌千足千臂観自在…という名前からは
そりゃ、首が1000個もあったら舌だって1000枚あるだろうし、
鼻だって1000個ついてるだろうよ!
とつっこみたくなります。
正式名称という程でもないでしょうが、ふつうあらたまって言う場合には
「千手千眼観世音菩薩」と言います。
サンスクリットでは「サハスバビ・フジヤ・アリア・アバロキテスバラ…」
千の手を持つもの…というほどの意味です。
因みにこの【千】という数は「無量円満」を意味します。
要するに、完璧!隙なし!オールマィティ!な数です…とにかく際限なく完璧!
千眼千手とは…
千の…つまり全方位的な最大・最強の全てを見通す目を持ち、その力が届く範囲が広大で制限がない…ということを表現しているわけです。
ともかくオプションつきすぎです。
千手観音はインドにまで遡る仏ですが…この仏を発明した人は完璧主義者
だったことは間違いないような気がします。
つまり、気分としては、最高最強の観音を発明したい!という気分に充ち満ちています。
サハスバビ・フジヤという称号はもともとインドの最高神ヴィシュヌとシヴァ
にだけ許されたもののようです。
千手観音に相当するインドの神はいないのですが、この仏が発明した人間が
インドの最高神レベルの仏を作り出そうとしたことがうかがわれます。
しかし、シヴァみたいな破壊神では困りますよね。
そこで、観音菩薩の第一の本願である「慈悲」をパワーアップして大慈大悲で行う意味から「大悲観音」ともよばれます。
その力は、すでに仏の最高クラスになってます。
そして、曼陀羅の蓮華部の中で最強の威徳を有する事から別名「蓮華王」
とも呼ばれたりします。
名前多すぎ!
ところで、個人的にはこの「蓮華王」というネーミングが一番好きです。
千手観音で有名な三十三間堂は別名「蓮華王院」ですよね。
千手観音のすごさ分かっていただけたでしょうか?
ちなみに、現代アニメ風にこの仏に名前を付けるとしたら、
こんな感じになるかもしれません。
「最終変形観音菩薩」…「パーフェクト観音」…
お粗末でした。
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■ 千手観音の姿
千手といいながらも…実際に千本、手がある千手観音は意外に少ないんですよ。
有名なところでは
唐招提寺(奈良)の千手観音と
葛井寺(大阪)の千手観音が実際に千本手がある千手観音として有名です。
この千本の腕というのは仏師泣かせで、そのためか、ほとんどの千手観音は四十二本の手に簡略化されています。
なにせ、千手観音を本気で作ろうと思ったらお金も時間もかかりますからねぇ…。
四十本の脇手と二本の真手で四十二本!
真手とは正面で合掌している手のことで、他の40手は脇手と呼ばれ、
像の脇から枝のように出ている手の事です。
つまり、一本の脇手が25本の腕を表すとうことにしたんですね。
40×25=1000
多少、強引ですが、コレで、1000本の腕が表現された事になったわけです。
頭良いというか、ちと、ずるいですね。
因みに目は…この手の平の方に、書いてあったり、彫ってあったりします。
三十三間堂の千手観音にせよ、唐招提寺の千手観音にせよ、手の平に、よくよくみると目が描かれているので、機会があったら、双眼鏡を持っていって、じっくり見てください。
頭のほうは十一面が多いようです。
さすがに頭や足まで、千個は造形的に無理だったのでしょう!
仏師の苦労がしのばれます。
大体、そこまでやったら、完全におばけというか、モンスターになってしまう気はします。
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□その他の形の千手観音
清水式千手観音
42臂像のうち、2臂を頭の上に上げて、その手のひらに化仏をかかげているものがあります。
ちょっと、変わった感じの千手観音です。
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清水式千手観音
□千手観音の持物の紹介!
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千手観音の42個の全ての持物とその意味を大公開!
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日本の国宝の紹介