インド系の雑貨屋に行くと、必ずと言っていいほどあるのが「神様のポスター」。
あのポスターって、なんて言うか…
バタくさくて、妙に肉々しいというか…色っぽいというか、とにかく、独特
の雰囲気があって、意外に人気の一品なんだそうです。
中でも、シヴァやパールヴァディに並んで人気のあるのが、ガネーシャと呼
ばれる「象頭」の神です。
日本でも、「ガネーシャ」というレストランがありますが、あの店の前には
”象頭の神様の像”がいますよね。
見たことがある方多いと思います。
結構、ユーモラスな像なんで、見たことない方は、ぜひ見てください。
しかし、あの象ただの象ではありません。
インドの最高神シバァ神とパールヴァティーの子であり、
(…象頭ですが。)
しかも、シヴァの持つ大軍団の統率者という実力の持ち主なんです。
(…象頭ですが。)
性格は、最悪だそうです。
(…象頭なんで。)
レストランの前にいる奴は、見るからに面白そうな雰囲気なんですが…。
さて、この完全にインドの神様である”ガネーシャ”ですが、実は仏教にも
とりいれられています。
名前は
【大聖歓喜自在天】
聖天…とか、歓喜天とか呼ばれます。
多くの像が秘仏だったりするので、あまり、直接見る機会は少ないかもしれ
ませんが、大体は「2匹の象(?)がお互いを抱きしめている姿」で表現されています
。
これを聞いたら、ああ…!とおもいあたるかたも、多いかと思います。
夫婦相愛、子女の出生等に関連した信仰などがありますが、特に有名なのは
水商売の人が信仰する仏であるということです。
そういうわけで、特に”性”にまつわる信仰があるためか、あんまり人目に
つかない事が多いようです。
他にも、商売繁盛、身体健全、病気平癒、等、ものすごい御利益があると言
いますが、一転して、おざなりな祀り方をすると、ものすごい祟りがあるという…
もう、仏だか祟り神だかわかんねーよという仏でもあります。
癖が強いんですね。
ほんとに、インドの神様をそのまま持ってきましたという感じがします。
さて、今はそんなお茶目な聖天ですが…、仏教に帰依する前の彼は、それはもうすごい「悪」でした。
10人いたら10人までが彼は悪い奴だと思うでしょう。
まあ、聞いてください。
象頭人身の鬼神ビナーヤカの話(ビナーヤカとガネーシャは同一とされるよ
うです)
昔、とあるところに肉が病的なまでに好きな王様がいました…。
彼は牛を食い付くし、死人も食い付くしてしまい、ついには国民を殺して食
べるようになってしまいました。
そこで、国民は叛旗を翻し王を殺害しようとすると、ビナーヤカとなり飛び
去ってしまいました。
その後、国は祟りに苦しめられ、人々は十一面観音に助けを求めます。
ここからの話が…さすが性神といった感じです。
十一面観音はその象頭人身の鬼神があまりに、性欲が強いのを見て、
「SEXさせてやるから、代わりに仏法を守護しろ!」と言ったとか言わないとか…(なんだかなぁ。。。)
聖天は「OK!」
と、快く言ったかどうかは分からないのですが…。
ひとまず、観音は「女のビナーヤカ」に変化してことに及んだそうです。
象同士だから、あんまり、色っぽくない話です。
しかも、観音って元は男だし…。
しかし、まあ、ビナーヤカにしたら、それでも良かったらしく…、というか、すごくよかったらしく…!、(強調いれときます)
大歓喜を得たので”歓喜天or大歓喜天”と呼ばれるようになったとか。
因みに抱き合った像をみてみると、片方の象がもう一方の象の足を踏んでい
るのが分かります。
この相手の足を踏み押さえている方が十一面観音だそうです。
ところで、なにのかわりに仏法守護を持ち出すなんて、観音、ずるい男よ…
いや、本気でずるいと思うんだけど…。
いいのか?そんなんで?
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■像の姿について
お像は小さめの黒光りした銅製の像が多いようです。
なぜか?
聖天の修法には、大根、歓喜団子、酒、等お供えが必要でこの、お互いが抱き合った象は、聖天法で、油をかけまくるようです。
そんなわけで、真っ黒。
因みに大根は「男性器」をあらわすようです。
しかも、2またの大根が良いそうです。
…もうなんだかわからん。
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【日本の重要文化財】聖歓喜自在天
聖歓喜自在天の国宝は存在しません。
重要文化財が1点のみです。
もちろん秘仏。
【重要文化財】木造歓喜天立像(室町) 神奈川・宝戒寺
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