さて、不動を除く五大明王の中で、一番わかりやすい明王。
それが、今回紹介する「大威徳明王」です。
なんで、一番わかりやすいかって?
それは、大威徳明王だけが「自家用牛」に乗っているからです。
牛に乗っていたら「大威徳明王」で決まりです。
そして、実はこの牛(水牛)の方が本体だったりするのです!ババ〜ン!
というのはウソですが、なにより、本体より、こっちの牛の方が見てて面白い
んですよ。個人的には。
牛の顔の方が味があります。
仏師は本体より、牛の方を楽しんで造っているとしか思えません。
因みに、はっきりいって、キリッとした顔の牛っていうのはいないんですよね…。
みんな今風の癒し系キャラの顔をしていて和めますよ…。
■ 美牛を集めました。なごみたい方は必見です。
↓(日本の美牛)
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←東寺の大威徳明王の牛です。
なんだか顔だけ見ると…アフリカの民芸品の趣が…。
ちょっと、渋めの牛でした。
頭の毛が…面白すぎる。
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□左は瑞巌寺…の牛(多分)
すごく…哲学的な顔をしていると思いませんか?
このぼけ具合は、まさに、宇宙を表現していると言えます。
□右はオススメの醍醐寺の牛
キュートなお目々が可愛らしい…。
牛:
僕のうえに、何か、変なモノが乗っているの?
何だろう?
…ってんな具合です。(マンガ、ワンピースに出てきそうな顔)
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「大威徳明王」の梵名は「ヤーマーンタカ」
「ヤーマーン」というのは、かの黄泉の国の王「閻魔大王」のこと、そして、
「ヤーマーンタカ」で「冥王ヤーマーンを下す者」という程の意味です。
ですから、「降閻魔尊」という別名もあります。
んだか、天部や明王って、降したり…降されたり…、仲が悪いですよね。
始終けんかしているかのようです。
まぁ、元ネタがインド神話ですからね。仕方ないんですが…。
※因みに、未確認ですが、「ヤーマーンタカ」とはシヴァの別名でもあるよう
です。
さて、話がそれました…。
他の明王はみんな立ってるんですがね…なぜか「大威徳明王」だけ座っているんですよ。(不動は座っている事が多いけど。)
しかも、足の数も一番多いのに…。
六本足ですよ。
多分、足の数が歩きにくいんじゃないかという気もします。
そのため、六足明王という別名もあります。
ともかく、変化仏は多いといっても、六本足はこの「大威徳明王」だけです。
また、…顔も六面です。
六面尊という別名もあるようです。
ついでに…手も六本。
いちおう、それぞれに意味はあるらしいのですが…。
書きません。きっぱり!
というか、実は本によって、結構バラバラなんでよくらんのです。
スパッと一つの意味に絞ってもらった方が、却って覚えやすい気がします。